滋賀医科大学の筆記試験概要
滋賀医科大学の1次試験は筆記試験(総合問題・英語)により構成されています。
例年の筆記試験はマークシート方式で総合問題は午前9:30-10:30の60分間、英語は同日の午前11:15-12:15までの60分間行われます。
出願書類とあわせて選抜を行い、募集人員の3倍すなわち51名が1次試験通過となります。
試験問題は総合問題(物理/化学/生物から構成されており、内容は大学レベルの物理化学や生理学、発生学、分子生物学が含まれています)と英語(TOEFL形式)から構成されます。
過去問題再現
2012
総合問題(60分)
・平面を運動する物体の時速t(>0)の位置座標が極座標でr=at,θ=bt(a,b>0)のとき、物体の加速度の方位角方向の成分はどれか
・平面に対し角度θ方向から光が入射しており、光の強度をIとした時の平面に与えられる単位面積,単位時間あたりのエネルギーはどれか
・熱力学的系の断熱圧縮率はで与えられる。単原子分子の理想気体の断熱圧縮率はどれか
・R1,R2,スイッチS,コンデンサCを接続した回路において、抵抗R1で発生したジュール熱はいくらか
・抵抗値が1Ω,可変抵抗,起電力が5Vと10Vの電池,整流器Dを接続する。Dを理想的な整流器とすると、整流器に電流が流れないための可変抵抗の抵抗値Rの範囲はどれか
・酸素原子の数の差が1である組み合わせはいくつあるか
・化学正誤問題(逆相クロマトグラフィ,炭酸アンモニウム溶液,トリス塩酸緩衝液,生食)
・分析法に用いられる電磁波の波長が短いものから並べよ(IR,NMR,UV,X-ray)
・C10H14が接触水素化で2molの水素を吸収すると、環はいくつか
・求核置換反応に関する正誤問題
・IUPAC命名規則に関する正誤問題
・化合物に関する正誤問題
・立体配置に関する正誤問題
・酵素に関する正誤問題(EC番号)
・RNA干渉に関する正誤問題
・ヘテロクロマチンに関する正誤問題
・モーター蛋白質に関する正誤問題
・テロメアに関する正誤問題
・微小管の機能に関する問題
・ゴルジ体の層板構造を観察するのに適した顕微鏡はどれか
・引張強度を高める細胞外マトリクス成分はどれか
・ヒトにおいて視覚を受容する脳領域はどこか
・エピブラストから発生するのはどれか
・1/100万人の割合で発症する非致死性染色体劣性遺伝形式疾患の保因者の割合はどれか。ただし浸透率は100%,突然変異は考慮しない
・膜貫通蛋白質を選べ
・健康なヒトのpHを選べ
・アポトーシスにより細胞膜脂質二重層の外側に出現するのはどれか
・姉妹染色分体同士の接着因子はどれか
・カエルの体構造が魚類から陸上脊椎動物型に変化するのを誘導するホルモンはどれか
・Hox遺伝子群を1クラスターだけ持つのはどれか
・造血幹細胞に関する正誤問題
・ある遺伝子が発現しているかどうかを調べるにはどの検査法を用いるか
・細胞内への取込に膜輸送蛋白質が関与しないのはどれか
・姉妹染色分体のチェックポイントは細胞周期のどの時期か
・蛋白質のフォールディングに関し、側鎖が内側に集まる傾向をもつ蛋白質はどれか
・蛋白質のαヘリックスについて正しいのはどれか
・線維状蛋白質を選べ
・細胞膜上の受容体蛋白質を介して働く細胞外シグナル分子はどれか
・ES細胞の樹立に用いられるのはどれか
・ヒトの大脳に存在しないのはどれか(神経膠細胞について)
・ヒト脳下垂体から放出されるホルモンはどれか
・ヒト聴覚に直接関係しないのはどれか
・平均100,標準偏差30の正規分布をとる母集団からサンプルサイズ10の標本を抽出した。標本平均値の標準誤差に近いのはどれか
・2つの母集団の喫煙率が異なるかどうかを統計学的に検討するのに最も適切な検定方法はどれか
・実力が等しいチームX,Yが5試合を行い、Xが3勝2敗となる確率に最も近いのはどれか。ただし引き分けはなしとする。
・統計に関する正誤問題(ピアソンの相関関数,p値,右に裾を引く,ポアソン分布,信頼区域)
英語(60分)
・Section1
文法問題15題(15点)
・Section2
誤文訂正17題(34点)
・Section3
長文読解(51点):Passageは2つ
まとめ
総合問題は物理/化学/生物から構成されており、内容は大学レベルの物理化学や生理学、発生学、分子生物学が含まれています。いずれもKALSの受講内容で対応できるレベルです。
英語についてはTOEFLと類似の形式が用いられており、長文は医療に関連した内容となっています。
https://medmixer.com/20171231-shiga-interview/